酒飲み女子がどきどきさせられてます
居酒屋【YOSAKU】での飲み会は2時間もたつ頃には酔っ払いも多くなっていた。
亮太郎は少し離れたところで男女交じってにこやかに歓談している様子が見える。
敏樹は私の背後で女性陣に囲まれている。
到着した時には私の隣に陣取っていたのだが、宴会が始まる前には女性陣に連れていかれたのだ。
それでも私の近くにいるところは頑張っているといってよいのだろうか?
座敷を見渡すと、男女問わずみんな程よく酔っ払いなのだが、私の周りには酔いつぶれた男性社員だらけだった。
私と同じペースで飲んでいた男性陣は一人、また一人と眠りについていってしまっていた。
ただ一人、「車だから」とノンアルコールを飲んでいる男性社員が私の横に座って話しかけてくる。
その男はわたしが酔っていると思っているのか、それともいつも目を光らしている亮太郎が来ないのをいいことにだんだん距離を近づけてくる。
量はたくさん飲んではいるが、飲んでいるのはビールだ。アルコール度数もそんなに高くないのでこのくらいで酔っ払ってしまうほど弱くはない。
少し離れても声が聞こえないといった様子で近寄ってくる。
好きな食べ物を聞いてはおいしいところを知っていると誘ってくる。
車で送ろうかと住所を聞き出そうとしてくる。
名前の呼び方も「香坂さん」から「優子ちゃん」に代わっている。
私の作り笑顔ももう限界である。
そいつは、私の開いたグラスにビールを注いだが、注ぎすぎて溢れ、私の手を濡らした。
「あっ!」
「うわ、ごめん!」
正座していたパンツスーツにお酒がかかり慌てる。男も慌てて謝る。
「平気平気」
と少し下がっておしぼりで拭くと、背後にいた敏樹の背中にぶつかった。
「あ。ごめん。八木君。大丈夫だった?」
敏樹の手元を確認する。
よし。何もこぼれてないなと安心して敏樹の顔を見ると、なんか機嫌悪そう?
「大丈夫ですよ。それより、香坂さんの方が大変そうですけど」
素直に
「うん」と答えた。
いろんな意味で大変かも!という心の叫びは言わないでおいた。
ビールをこぼした男は、
「優子ちゃん、袖口が汚れてる」
と言うとズボンのポケットからハンカチを出し、優子の手についたお酒をふき取った。
心配するふりをして優子の手に優しく触っている。
やばいっ!と敏樹の顔を見ると、目に力が入り、怒っている様子がまるわかりだ。
その時。
「おい!優子ちゃんの手を握るとは不届きな!!」
さっきまで寝ていた逆隣の男性社員が目を覚まし、いきなり私の肩を抱き寄せた。
「わっ!!」
後ろに引っ張られて倒れそうになり、びっくりしたのと怖かったのとで反射的に叫んでしまった。
それと同時に
「触るな!!!!!!」
と敏樹が叫んだ。
私の肩を抱く男を押しのけ、手を握る男の手を振り払い、敏樹は優子を抱きよせた。
「俺のだ!!!!!」
あっけに取られている男性社員達にもう一度はっきりと言った。
「優子は俺の彼女なの!!!!俺の優子にさわってんな!!!!」
女性社員の悲鳴。
酒好き連中の冷やかしの声。
目を覚ました酔っ払いどもの動揺。
そんな中優子は顔を上げることなく、八木の胸に顔をうずめていた。
周囲の反応が怖すぎて見れなかったのだった。
そして、亮太郎が大きな声で言った。
「八木!!遅いっ!!!触らせてんじゃねーぞ!!」
亮太郎のその発言は優子と敏樹の交際を認めていることを意味していた。
私は敏樹のシャツの袖を握ったままぎゅっと目を閉じた。
亮太郎は少し離れたところで男女交じってにこやかに歓談している様子が見える。
敏樹は私の背後で女性陣に囲まれている。
到着した時には私の隣に陣取っていたのだが、宴会が始まる前には女性陣に連れていかれたのだ。
それでも私の近くにいるところは頑張っているといってよいのだろうか?
座敷を見渡すと、男女問わずみんな程よく酔っ払いなのだが、私の周りには酔いつぶれた男性社員だらけだった。
私と同じペースで飲んでいた男性陣は一人、また一人と眠りについていってしまっていた。
ただ一人、「車だから」とノンアルコールを飲んでいる男性社員が私の横に座って話しかけてくる。
その男はわたしが酔っていると思っているのか、それともいつも目を光らしている亮太郎が来ないのをいいことにだんだん距離を近づけてくる。
量はたくさん飲んではいるが、飲んでいるのはビールだ。アルコール度数もそんなに高くないのでこのくらいで酔っ払ってしまうほど弱くはない。
少し離れても声が聞こえないといった様子で近寄ってくる。
好きな食べ物を聞いてはおいしいところを知っていると誘ってくる。
車で送ろうかと住所を聞き出そうとしてくる。
名前の呼び方も「香坂さん」から「優子ちゃん」に代わっている。
私の作り笑顔ももう限界である。
そいつは、私の開いたグラスにビールを注いだが、注ぎすぎて溢れ、私の手を濡らした。
「あっ!」
「うわ、ごめん!」
正座していたパンツスーツにお酒がかかり慌てる。男も慌てて謝る。
「平気平気」
と少し下がっておしぼりで拭くと、背後にいた敏樹の背中にぶつかった。
「あ。ごめん。八木君。大丈夫だった?」
敏樹の手元を確認する。
よし。何もこぼれてないなと安心して敏樹の顔を見ると、なんか機嫌悪そう?
「大丈夫ですよ。それより、香坂さんの方が大変そうですけど」
素直に
「うん」と答えた。
いろんな意味で大変かも!という心の叫びは言わないでおいた。
ビールをこぼした男は、
「優子ちゃん、袖口が汚れてる」
と言うとズボンのポケットからハンカチを出し、優子の手についたお酒をふき取った。
心配するふりをして優子の手に優しく触っている。
やばいっ!と敏樹の顔を見ると、目に力が入り、怒っている様子がまるわかりだ。
その時。
「おい!優子ちゃんの手を握るとは不届きな!!」
さっきまで寝ていた逆隣の男性社員が目を覚まし、いきなり私の肩を抱き寄せた。
「わっ!!」
後ろに引っ張られて倒れそうになり、びっくりしたのと怖かったのとで反射的に叫んでしまった。
それと同時に
「触るな!!!!!!」
と敏樹が叫んだ。
私の肩を抱く男を押しのけ、手を握る男の手を振り払い、敏樹は優子を抱きよせた。
「俺のだ!!!!!」
あっけに取られている男性社員達にもう一度はっきりと言った。
「優子は俺の彼女なの!!!!俺の優子にさわってんな!!!!」
女性社員の悲鳴。
酒好き連中の冷やかしの声。
目を覚ました酔っ払いどもの動揺。
そんな中優子は顔を上げることなく、八木の胸に顔をうずめていた。
周囲の反応が怖すぎて見れなかったのだった。
そして、亮太郎が大きな声で言った。
「八木!!遅いっ!!!触らせてんじゃねーぞ!!」
亮太郎のその発言は優子と敏樹の交際を認めていることを意味していた。
私は敏樹のシャツの袖を握ったままぎゅっと目を閉じた。