酒飲み女子がどきどきさせられてます
「ぐううー」
一通り方向性がまとまったところで、優子のおなかが鳴った。
「あ。ごめん!お腹なっちゃった!」
あわててお腹を押さえても室内に響いたお腹の音はなかったことにはならない。さらに追い打ちをかけるかの如く、再び「ぐるうー」と大きな音を鳴らした。
香坂優子、27歳女子。仕事中にお腹が鳴るだけでも恥ずかしいのに、女子社員の癒しの存在である八木の前での粗相に
(穴があったら入りたいとはこういう時に使うんだろうな。穴に入ってもこの音は聞こえるほど大きいですけど)
と両手でお腹を摩りながら思った。
「八木君、恥ずかしながら、お腹の虫が止まりません」
優子は照れ笑いをしながら八木を見た。
八木は右手で口元を覆い、優子から目を背けた。
よく見ると八木の口はむずむずとしているのがわかる。耳は少し赤くなっている。
「ちょっと!笑うならちゃんと笑ってー!」
と懇願すると
「あはははは!かわいいっ!可愛すぎるっ!」
八木に『かわいい』といわれ優子はドキッとした。イケメンの破顔の笑顔は破壊力が半端ない。みんながキャーキャー言う理由もわかるななんて考えていたら、またお腹が「ぐうー」と鳴った。
「もう無理!お腹すいた。お昼休憩にしようよ?」
時計を見ると2時半を回っていた。二人との集中していたようだ。昼休憩も取らずにぶっ続けで仕事をしていた。
「香坂さんは何食べたいですか?」
「お肉!ものすごくお腹がすいてるからがっつりお肉とごはんが食べたい!」
「お肉、いいですねえ。じゃ、『肉肉屋さん』ですか?」
「うん」
「やった!!香坂さんと一緒にランチとか嬉しすぎる!!」
万歳をするや八木は満面の笑みをうかべて、立ち上がりいそいそとテーブルを片付けはじめた。
(この流れは一緒に食べに行くってことだろうか?)
優子は八木の顔を見た。八木は口を綻ばしていすり、嬉しそうに見れる。
優子は八木の様子を窺うように尋ねた。
「えっと、、、一緒に食べに行く?」
「もちろん!!お供しますよ!」
とにこにこしている。
八木の人懐っこい笑顔につられて、優子までにこにこしてくるのだった。
財布と携帯をもって外に出た。
二人は会社から歩いて10分のところにある『肉肉屋さん』という店名の定食屋を目指した。
「実は香坂さんとのディスカッション、すごく楽しいんですよね」
「えー、私もよ。八木君ものすごく話しやすいし、アイデアとかどんどん出てきて、仕事だけど楽しいって思っちゃう」
「香坂さんに褒められると嬉しいです」
八木は少し照れたように優子を見つめた。
「前部署でしっかり鍛えられたんだろうね。前に八木君は仕事ができるって褒められてたもんね」
「、、、」
八木は無言になった。優子は八木の気分を害することを言ってしまったのだろうかとあわてた。
「八木君!私、褒めたつもりだったんだけど、何か気に障った、、、かな?」
「え!いえいえ!全然!すみません」
「えっと、、、私、この年でお恥ずかしながら、人の機微に疎いといいますか、、、空気とか読むの苦手なんだ」
「え?」
八木は驚いたように優子見た。
「私さ、社会性というのが欠落してるらしくて。私なりには気遣ってるつもりなんだけど、どうも他の人と違ってるらしくて。ごめんなさい」
優子はまっすぐに八木を見て謝った。
八木は慌てて手を左右に振った。
「違います!怒ってないです!」
「うん。なんで、はっきりと言ってもらえた方が助かるので。。。」
「ちょっと、照れてしまっただけです!」
「?」
八木は優子から目をそらし横をむいた。
八木を見上げる優子が見えるのは横顔の八木で、その耳は少し赤くなっていた。
「香坂さんが褒めてくれたのが嬉しくて、照れました」
「え、そうなの?」
「はい。あ、、、実は、、、
俺、新人研修の時香坂さんの班だったんですよ。みんな意見を言わなくなって、空気がむちゃくちゃ悪くて。で、香坂さんノートをびりっと破って、、、」
「あ」
優子は初めて新人研修でリーダーを任された時のことを思い出していた。
「あの時香坂さんが教えてくれたディスカッションがすごく良くて、楽しくて。あれが今の僕の仕事のやり方になってるんです」
八木は優子に顔を向け照れたように、優しく微笑んだ。
八木の向ける表情に優子がドキドキしてしまい、顔が熱を持つのを感じた。優子はそれをごまかして歩を進めた。
「あの時、私めちゃくちゃ張り切ってたんだよねえ」
と当時のことを二人でわちゃわちゃ話しながら『肉肉屋さん』を目指した。
一通り方向性がまとまったところで、優子のおなかが鳴った。
「あ。ごめん!お腹なっちゃった!」
あわててお腹を押さえても室内に響いたお腹の音はなかったことにはならない。さらに追い打ちをかけるかの如く、再び「ぐるうー」と大きな音を鳴らした。
香坂優子、27歳女子。仕事中にお腹が鳴るだけでも恥ずかしいのに、女子社員の癒しの存在である八木の前での粗相に
(穴があったら入りたいとはこういう時に使うんだろうな。穴に入ってもこの音は聞こえるほど大きいですけど)
と両手でお腹を摩りながら思った。
「八木君、恥ずかしながら、お腹の虫が止まりません」
優子は照れ笑いをしながら八木を見た。
八木は右手で口元を覆い、優子から目を背けた。
よく見ると八木の口はむずむずとしているのがわかる。耳は少し赤くなっている。
「ちょっと!笑うならちゃんと笑ってー!」
と懇願すると
「あはははは!かわいいっ!可愛すぎるっ!」
八木に『かわいい』といわれ優子はドキッとした。イケメンの破顔の笑顔は破壊力が半端ない。みんながキャーキャー言う理由もわかるななんて考えていたら、またお腹が「ぐうー」と鳴った。
「もう無理!お腹すいた。お昼休憩にしようよ?」
時計を見ると2時半を回っていた。二人との集中していたようだ。昼休憩も取らずにぶっ続けで仕事をしていた。
「香坂さんは何食べたいですか?」
「お肉!ものすごくお腹がすいてるからがっつりお肉とごはんが食べたい!」
「お肉、いいですねえ。じゃ、『肉肉屋さん』ですか?」
「うん」
「やった!!香坂さんと一緒にランチとか嬉しすぎる!!」
万歳をするや八木は満面の笑みをうかべて、立ち上がりいそいそとテーブルを片付けはじめた。
(この流れは一緒に食べに行くってことだろうか?)
優子は八木の顔を見た。八木は口を綻ばしていすり、嬉しそうに見れる。
優子は八木の様子を窺うように尋ねた。
「えっと、、、一緒に食べに行く?」
「もちろん!!お供しますよ!」
とにこにこしている。
八木の人懐っこい笑顔につられて、優子までにこにこしてくるのだった。
財布と携帯をもって外に出た。
二人は会社から歩いて10分のところにある『肉肉屋さん』という店名の定食屋を目指した。
「実は香坂さんとのディスカッション、すごく楽しいんですよね」
「えー、私もよ。八木君ものすごく話しやすいし、アイデアとかどんどん出てきて、仕事だけど楽しいって思っちゃう」
「香坂さんに褒められると嬉しいです」
八木は少し照れたように優子を見つめた。
「前部署でしっかり鍛えられたんだろうね。前に八木君は仕事ができるって褒められてたもんね」
「、、、」
八木は無言になった。優子は八木の気分を害することを言ってしまったのだろうかとあわてた。
「八木君!私、褒めたつもりだったんだけど、何か気に障った、、、かな?」
「え!いえいえ!全然!すみません」
「えっと、、、私、この年でお恥ずかしながら、人の機微に疎いといいますか、、、空気とか読むの苦手なんだ」
「え?」
八木は驚いたように優子見た。
「私さ、社会性というのが欠落してるらしくて。私なりには気遣ってるつもりなんだけど、どうも他の人と違ってるらしくて。ごめんなさい」
優子はまっすぐに八木を見て謝った。
八木は慌てて手を左右に振った。
「違います!怒ってないです!」
「うん。なんで、はっきりと言ってもらえた方が助かるので。。。」
「ちょっと、照れてしまっただけです!」
「?」
八木は優子から目をそらし横をむいた。
八木を見上げる優子が見えるのは横顔の八木で、その耳は少し赤くなっていた。
「香坂さんが褒めてくれたのが嬉しくて、照れました」
「え、そうなの?」
「はい。あ、、、実は、、、
俺、新人研修の時香坂さんの班だったんですよ。みんな意見を言わなくなって、空気がむちゃくちゃ悪くて。で、香坂さんノートをびりっと破って、、、」
「あ」
優子は初めて新人研修でリーダーを任された時のことを思い出していた。
「あの時香坂さんが教えてくれたディスカッションがすごく良くて、楽しくて。あれが今の僕の仕事のやり方になってるんです」
八木は優子に顔を向け照れたように、優しく微笑んだ。
八木の向ける表情に優子がドキドキしてしまい、顔が熱を持つのを感じた。優子はそれをごまかして歩を進めた。
「あの時、私めちゃくちゃ張り切ってたんだよねえ」
と当時のことを二人でわちゃわちゃ話しながら『肉肉屋さん』を目指した。