あの瞬間キミに恋した
「お母さん行ってきま~す」

「いってらっしゃい」

元気よく家を出たら、櫂斗がいた・・・。
なんでいるかな。まぁ一緒に学校に行くんだけどさ。
はぁぁぁ・・・。憂鬱。

「おはよう 」

「おはよう・・・」

「なんだよお前、露骨にイヤそうな顔しやがって」

「悪い?昨日いろんな事があったから」

う~ん。櫂斗はあのコト知ってるのかな?
聞いてみたいけど・・・聞き辛い内容だもんなぁ。と考えてそして、ジーっと櫂斗を見る私。

「なんなんだよ紗羅 もしかして、俺がカッコ良すぎるから、そんなに見てるのか?」とニヤニヤしながら言った。

「そんな訳ないじゃん!自惚れないでよね」

「っと、ヤバッ!!紗羅、早く行かないと遅刻するぞ」

「わかってるわよ」と櫂斗に言いながら自転車に乗って学校に向かった。

そして学校に着いた。

「紗羅~~、おはよ~~~」

「マリおはよ~」

「櫂斗君もおはよう」

「七瀬さんおはよう。今日も綺麗だね」と櫂斗は、さわやかな笑顔で言った。

コイツ、また言ってるよ。
まったく。綺麗な子には、これなんだから・・・。
私にも、少しくらいは優しくしてくれてもいいじゃん。
でも、櫂斗が急に優しくなるってのも、逆に怖いような・・・アハハハハ・・・。

「ありがとう櫂斗君」

「紗羅、俺先に教室に行くからな」

「お先にどうぞ~~~」と私は櫂斗に嫌味っぽく言った。

それからマリは小声で私に聞いてきた。

「昨日は、どうだった?まっ!今日もだけど」

「は?何が?」

「アンタ、何がって、櫂斗君に決まってるじゃない」

「別に・・・何もないよ」

さすがに、例の件はマリにも言い辛いしね。マリに言ったら、また色々とツッコまれそうだし。

「本当に~~?何か怪しい・・紗羅、私に隠し事はダメだからね」

うっ!!!怖い、ダメだ。マリには嘘はつけない。仕方ない素直に言うか・・・。

「わかったわよ!!ちゃんと言うから。ねっ!マリ」

「ふふふっいい子ね!紗羅♪」

はぁぁ、マリってうちのお母さんより、ある意味怖いかも。
それから、私達は教室に向かった。
< 15 / 84 >

この作品をシェア

pagetop