あの瞬間キミに恋した
今日も、いつものように、櫂斗と一緒に学校に来た私。
櫂斗は相変わらず、イヤなヤツだ。

「じゃあ、紗羅先行くからな」

「いってらっしゃいませ~~~」と、またまた嫌味っぽく言う私。

「またかよ!!」と櫂斗は少し怒りながら言って教室に行った。

ふふふふふっ!櫂斗怒っちゃってるよ。
日ごろの可愛い?仕返しだよ!!櫂斗く・ん。。
はぁぁ~~!!ちょっと気分いいかも~~。

そんな事を思ってると女の子に話しかけられた。
振り返ると、同じクラスの女の子だった。
なんなんだろう?と私は首を傾げた。

「渋谷さん、前から気になってたんだけど。岡田君と毎日一緒に学校来てるよね?岡田君と渋谷さんって付き合ってるの?」

は?私と櫂斗が付き合ってるかって?
んな訳ないじゃん!!!
ヤバイ!何か、変な勘違いをされてるようだ。
誤解を解かないと、大変な事になりそう。

「ううん、私と櫂斗は付き合ってなんかないから。櫂斗と私はおさななじみで、家が近いから一緒に学校に来てるだけだから」と笑顔でその子に言った。

「そうだったんだ!仲が良いから・・・てっきり付き合ってるのかと思ってたの。でも安心した。ありがとう」と、その子は嬉しそうに私に言って去っていった。

ん?何がありがとうなの?
そっか!あの子、櫂斗が好きなんだろうな・・・たぶん。
私に直接聞きに来るぐらいだから。

櫂斗って、顔がいいだけの男だよ?どこがいいんだろう?
私には、よく分かんない。

そんな事を思っていると、急に胸がズキンと痛んだ・・・。
どうしたんだろう?私。
でも、誤解は解けたみたいでよかったぁ。

「紗羅おはよう~~~」

「マリおはよう~~」

「紗羅、例の話休み時間にしてよね」

はっ!また忘れてたよ私。

「うん、了解」

そして私達は教室に向かった。
教室に入ると、櫂斗が女の子と楽しそうに話してる姿が見えた。

ふぅん・・・櫂斗すごい楽しそうじゃん。そのコ結構可愛いもんね。
すると・・・チクン・・・チクン・・・。なに?何か胸が痛いんですけど。

この胸の痛みには、覚えがあった。

ちっ!ちがう!!ちがうよ!!!!
べ・別に・・・櫂斗が誰と喋ろうと私には関係ないよ!うん、関係ない。
そう思い込む私だった。

そして、休み時間になった。
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