あの瞬間キミに恋した
「紗羅~~早く聞かせてよ~~~」

はぁぁ、マリってホントにせっかちなんだから。

「えっとね。私のお母さんと櫂斗のおばさんがね、すっごぉぉぉぉく、ありえない事を考えてたの」

「ありえない事?なに?なに?」とすごくワクワクした顔つきで聞いてくるマリ。

「・・・」

「ちょっと・・紗羅もったいぶってないで、早く話してよ」

「うん。私と櫂斗がね・・・結婚したらいいのにって言ったの」

「結婚?マジで?」

「うん、大マジらしい。初めは、お母さんのいつもの冗談かと思ってたんだけど・・・櫂斗の家言ったら、おばさんがお母さんと一緒の事言い出して」

「つまり、紗羅のおばさんと櫂斗君のおばさんが、2人で結婚話を進めてたと」

「何か、そうみたい・・・」

「へぇぇ~~~っ!!すごいじゃん、紗羅」

「は?なにが?」

「だって、紗羅は櫂斗君のおばさんに、すっごく気に入られてるって事でしょ?」

「まぁ、私もおばさんの事は大好きだけど」

「なら、問題ないんじゃないの?」

「問題あるって、アリアリだよ」

「私は紗羅のおばさんと、櫂斗君のおばさんが2人を結婚させたいって気持ちわかるよ」

「なんで?」

「だって、紗羅と櫂斗君すっごく似合ってるもん」

「似合ってるって、マリまでそんな事言わないでよ」

「え?もしかして、おばさん達にも言われたとか?」

「アハハッ、やっぱりそうだったのね」

「でもマジで、私と櫂斗がお似合いって思うの?」

「だって紗羅は可愛いし、櫂斗君はカッコいいからだよ。あと、2人の雰囲気かな。いい感じだから」

「え?可愛いって私が?」

「うん、紗羅は可愛いわよ。私が男なら、紗羅と付き合いたいくらいだもん。だから、紗羅は自分に、もっと自身を持ちなさいよ」

「ありがとうマリ」

「そうだ。今日の朝ね、同じクラスの女の子に、櫂斗と私は付き合ってるの?って聞かれたんだ。もちろん、ただの幼なじみって言ったけどね」

「そうなんだぁ。まぁ櫂斗君はモテるから、聞かれるのは当たり前じゃない?しかも、その相手って言うのが紗羅だし」
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