あの瞬間キミに恋した
そして放課後。

「紗羅、櫂斗君と帰るんでしょ?ほら、行ってきなよ」とマリに背中を押される。

「うん、マリありがとう」

「ふふっ、いいのよ」

そして私は教科書をカバンに詰めて、櫂斗に話しかけた。

「櫂斗、帰ろ!!!」

「1人で帰れば?」と冷たく言われた。

何よ、いつも一緒に帰ってたくせに!!
まだ怒ってるわけ?ちゃんと話したいのに。

「わかったわよ!!もう知らない!!」と私は怒りながら櫂斗に言った。

ムカつくう~~~!!櫂斗のヤツ。

そんな事を思ってると
「紗羅ちゃん」と話しかけられた。

振り返ると、拓哉君だった。

「拓哉君。どうしたの?」

「うん、よかったら一緒に帰らないかな~と思って」

え?私と?まぁいっか、櫂斗は私と帰りたくないみたいだし。

「うん、じゃあ一緒に帰ろう拓哉君」と笑顔で言った。

「ふふっ、よかった」と嬉しそうに言う拓哉君。

そして教室を出ようとした時、櫂斗と目が合った。
私はすごい目つきで櫂斗に睨まれた。
な、何よ櫂斗。何でそんなに怖い顔してるのよ?
拓哉君と一緒に帰るのが、そんなに気に食わないの?
何か文句あるんだったら、私に直接言いなさいよ!!
そもそも、櫂斗が悪いんだからね。
私が話しかけても、無視する櫂斗が!!!
そして私は、櫂斗に負けじと睨み返して教室を出た。
そして靴箱に来たところで、拓哉君に質問された。

「紗羅ちゃんってさ、岡田と仲いいよね?」

ん?何で櫂斗の話なんだろ?まっいっか。

「別に仲良くなんてないよ。ただの幼なじみってだけだから」と苦笑いをしながら言った。

「そうなんだ?付き合ってるのかと思っちゃってさ」

拓哉君まで私と櫂斗って傍から見れば、カレカノっぽく見えるのかな?
そう思うと、私はすごく嬉しかった。実際はケンカ中で話もろくに出来てない状態なんだけどね、アハハ。

そして、私達は校門を出た。
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