あの瞬間キミに恋した
すると・・・すごく視線を感じる私。
そう、通りすがりの女の子達にガン見?されてるんだ。
そうだよね。なんで私が拓哉君と一緒に帰ってるんだろ?って思ってるに違いない。

櫂斗と一緒に帰るだけでも、女の子から睨まれるくらいだし。
拓哉君はすっごくかっこいいし。私とは、つり合わないよね?
そう思ってると拓哉君が心配そうに聞いてきた。

「紗羅ちゃん?どうしたの?暗い顔して」

え?私そんなに暗い顔してたんだ・・・。その事に自分でビックリしてしまう私。

「アハハ。大丈夫だよ!拓哉君。心配してくれてありがとう」と笑顔で言った。

だけど拓哉君が人気あるのって、すっごくよくわかる。
顔がイイだけじゃなくて、性格もすっごくいいもん。
優しいし、しっかりしてて頼りになるし、何より拓哉君を見てると、すっごく穏やかな気持ちになる。
拓哉君はそんな雰囲気(ふんいき)を持ってる人なんだ!!
櫂斗は、俺様~~~!!な性格だし。優しいかと言えばそうでもないし、しかもイジワルだし。
うん、拓哉君は櫂斗とは、正反対だよ。アハハ!!

ふぅぅ~~~。でも拓哉君と並んで歩いてると、すっごく実感する事が1つある。

そう・・・私はすっごく背が低いんだ。
150cmしかないから。だから180cmもある拓哉君とは30cmの身長差があるの。(櫂斗とでもそうなんだけど)
だから、拓哉君といると、私が更に小さく見えるってわけ。
って、なに拓哉君のせいにしてるのよ!!!
拓哉君が悪いわけじゃないのに。ただ、私が小さすぎるだけ!!
でも、気になる私は拓哉君に聞いてみた。

「拓哉君あのね・・・」

「ん?何?どうかした?」と優しく言ってくれる拓哉君。

「ほら、私すっごく小さいでしょ?だから私と並んでると拓哉君がイヤなんじゃないかと思って」

「紗羅ちゃん、そんな事僕は思ってないよ。身長差がいくらあったって、紗羅ちゃんとなら気にならないから心配しなくていいよ」と優しい笑顔で言ってくれる拓哉君。

「ホントに?ありがとう拓哉君。そう言ってもらえて、すっごく嬉しい」

「そういえば、明日からだよね。図書委員活動」

「うん。ふつつか者だけど拓哉君よろしくね」

「あははっ、こちらこそ」と私達は笑い合った。

そうこう言っているうちに家に着いた。

「拓哉君ありがとう。ここが私ん家なの」

「いいえ、どういたしまして」

そういえば拓哉君の家ってこっち方面なのかな?と気になり聞いてみた。

「拓哉君の家ってこの近くなの?」

「うん、ここからもう少し行った所だよ」

「そうなんだ、知らなかった。近かったんだね!!」

「うん、僕もこんなに近いとは思ってなかったよ」

「それじゃあ私帰るね。拓哉君また明日」

「うん紗羅ちゃんまた明日ね」

そして私は家に入り、拓哉君は自転車で自分の家に帰って行った。
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