あの瞬間キミに恋した
☆櫂斗視点☆



ふぅ、またまた後悔をしている俺・・・。
そう、さっき紗羅が相沢と一緒に帰って行ったんだ。
あぁ・・・くだらない意地なんて張らないで紗羅と一緒に帰ればよかった。
せっかく紗羅が誘ってくれたのに、俺は一体何をしてるんだよ、まったく!!
って言うか、俺は何で素直になれないんだ。自分のこの性格に嫌気さえしてくる。
紗羅の顔を見ると、つい本音が言えなくなるんだ俺は!

でもまさか、紗羅が相沢と一緒に帰るなんて夢にも思ってなかった俺。
って言うか、相沢は一体何考えてるんだ?
紗羅が俺と一緒に帰らないって知って、紗羅に声かけたのか?
タイミング良すぎるもんな!!
アイツは、紗羅の事が好きなのか?
そうだよな、俺以外にも紗羅の事を好きなヤツはいっぱい、いるよな。
紗羅は、超可愛いし。
本人はその事に全然気付いてないから、余計に危なっかしいんだ。
でもそうだったとしても、紗羅は絶対に渡さないからな!!!
そんな事を思いながら、俺は家に向かった。
そして、紗羅の家の近くに来たとき、急に話し声が聞こえた。

この声は・・・紗羅!!!と・・・相沢。

声だけで、紗羅だってわかる俺は相当すごいな、アハハ。
でも、話している内容までは聞こえなかった。
何を楽しそうに話してるんだ?
しかも、笑顔で笑ってるし。
何だ?あの顔はあんな可愛い笑顔、俺は見た事ないぞ!!!

相沢と一緒にいるから、あんな笑顔をするのか?
俺といる時の紗羅は怒っているか、膨れっ面をしているかのどっちかだ。って俺が、いつも紗羅を怒らしてるだけなのかもしれないけど。
俺にも、その笑顔を向けてくれよ・・・紗羅。

いろんな考えが俺の心の中で思い浮かぶ。
そして紗羅に見つかりたくなかった俺は、足早に自分の家に帰った。
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