あの瞬間キミに恋した
「よろしく・・・」と言ってタクヤ君の手をつよ~~く握った櫂斗。

ん?櫂斗・・・強く握りすぎじゃないの?
今日の櫂斗は、変だ!!
何か、機嫌悪いし・・・。

「櫂斗、仲良くしてよね・・・」

「こんなヤツと仲良くなんてしたくない」

「もうっ櫂斗!!! タクヤ君ごめんね」

「ううん、いいよ。気にしないで」と苦笑いをしたタクヤ君。

「じゃあ、僕そろそろ戻るね」

「うん、また明日ね~~」と言い、笑顔で微笑んだ。

「仲いいんだな・・・」とボソッと小さな声で櫂斗がつぶやいた。

「うん、仲いいよ。毎日遊んでるし。タクヤ君すっごく優しいんだ」

「あっそ!!!」

なにそれ?なんでそんなに不機嫌になってるのよ!!
櫂斗がお見舞いに来てくれて、すごく嬉しかったのに。

「櫂斗・・・タクヤ君が気に入らないの?」

「あったりまえだろ!!」

「なんで?優しくていい子なんだよ?」

「そんな事は関係ない。ただアイツが嫌いなだけ!!」

は?どういうことだろ?
ただ嫌いなだけって・・・理由になってないんですけど。

わっかんないなぁ。まぁ櫂斗の言う事は、いつも、わかんない事だらけなんだけど。あはははっ。

「この話は終わり!!ほら、ノート」

ええええぇ~~~、勝手に話終わらせないでよ!!まぁ、櫂斗らしいんだけどね。

「ありがとう。ノート取っといてくれたんだ」

「ああ。だってお前、頭悪いから、仕方なく俺様がノート取っといてやったんだよ」

くっそぉ~~~、ムカつく!!

「それはそれは、ありがとう。感謝してま~す」と舌を出してベェーっとしながら櫂斗に言った。

「言ったな~~紗羅!!」と櫂斗は私の頬をつねりながら言った。

「あははははっ」と私達は笑い合った。

こういうくだらないケンカを櫂斗としてる時間が、私はすごく好きだった。
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