あの瞬間キミに恋した
それから、日々が過ぎてゆき私の退院が決まった。
やったぁ~~やっと退院出来るんだ!!

タクヤ君に知らせないと・・・。
と頭ではわかってるんだけど、なかなか言い出せない。

タクヤ君と過ごした日々が、すごく楽しかったから。
でも、ちゃんと言わなきゃね。

「タクヤ君」

「あっ!紗羅ちゃん、どうしたの?暗い顔して」

「あ・あのね、私明日退院するんだ」

「え?本当に?急だね・・・」

「うん、タクヤ君今まで仲良くしてくれてありがとう。すっごく楽しかった」

「うん。僕も紗羅ちゃんといて、すっごく楽しかったよ」

「これから会えなくなるけど、タクヤ君元気でね」

「うん、紗羅ちゃんも。そうだ!!紗羅ちゃんお別れにコレあげるよ」

うっわ~~!!可愛いクマさんのキーホルダーだ。

「え?いいの?」

「うん、僕使わないから。よかったら使ってね」

「タクヤ君ありがとう。大切にするね!!」

それから、退院する日になった。

「タクヤ君じゃあ、バイバイ」と泣きながら言った。

「紗羅ちゃん泣かないでよ。きっと、また会えるよ。絶対に会えるから。ねっ」

「うん」

「また会える日まで、僕の事忘れないでね。紗羅ちゃん」

「うん、忘れないよ絶対に」

「今度会えた時に伝えたいことがあるんだけど、紗羅ちゃん聞いてくれる?」

「うん、伝えたいことって・・・何?」

「ふふっ。それは内緒。また会えた時に言うから、それまで待っててね」

「うん、わかった」

「絶対だよ?紗羅ちゃん、約束だからね!!」

「うん、絶対だよ。約束する」

そう言って私達は微笑み合い、別れた。
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