あの瞬間キミに恋した
それから私と櫂斗は教室に入った。

「櫂斗さっきはありがとね~~!!助かっちゃった」

「別に助けた訳じゃねぇよ。アイツにムカついただけ。それに、紗羅もアイツと一緒だとイヤなんだろ?」

「う・・・うん、まぁ・・・」

「なんだよ!その曖昧な答えは」

あはははは。だって答えに困るよ。

「まぁまあ、櫂斗怒らないでよ」と笑顔で言う。

正直に言うと・・・。櫂斗が私と付き合ってるって拓哉君に言ってくれたことが、すごく嬉しかった。

たとえ嘘だとしても・・・。

私が困った顔をしたから、櫂斗は助けてくれたんだよね?それだけの理由だったとしても、そう思ってくれただけで、私は幸せだよ?櫂斗。

付き合ってるフリでも・・・私はかまわないから。


それから授業が始まり、休み時間になった。

「渋谷さん~~。呼んでるよ!!」と同じクラスの女子が話しかけてきた。

ん?誰?

「ありがとう。すぐに行くから」

そして行って見ると、薫だった。

「おい!!紗羅・・・。ちょっと来い!!」

「わ・・・わかったわよ」

そして私は裏庭に強引?に薫に連れて来られた。

「お前・・・アノ件はどうなってるんだよ?あれから、何日も経ってんのに、全然連絡もしなかっただろ?」

「ごめんごめん。忘れてた訳じゃないんだよ?」

本音を言うと、今の今まで、忘れてました・・・。いろんなことがありすぎて、頭パンクしちゃいそうだよ私。

「当たり前だ!!忘れてたら、ボコるところだ!!」

ぼ・・・ボコるってアンタ。末恐ろしいこと言わないでよ。しかも、私女の子だよ?薫・・・。

「ちゃんとマリに話すから。ねっ?」

「なるべく早くしろよ!!」

コイツは・・・これが人に物を頼む言い方なわけ?
まぁ仕方ないか。薫はこんな性格なんだもんね。あははは。

「ラジャー!!!んじゃあ、そろそろ帰るね。薫まったね~~」とピースをした後、教室へ向かった。

「ふっ。あいつバカだろ?」
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