あの瞬間キミに恋した
おじさん、それは私も知りたいとこだけど。この場では聞きたくないよ・・・。

「は?俺がコイツを?そんな訳ないだろ?」

やっぱりね。櫂斗は私のことなんて好きじゃないんじゃないかとは思ってたけど・・・。

気持ちを伝える前に失恋って悲しすぎるよ・・・。


私は涙が出てきそうになるのを必死で堪えた。

それにしても・・・その言い方はなによ?ムカつくなぁ!!

「私だって櫂斗のことなんて好きじゃないもんね!!」と櫂斗を睨みながら言った。

「本当なのかい?こんなに仲が良くてお似合いなのに」

紗・櫂「仲良くなんてないし、お似合いでもない!!!」と2人で同時に言った。

うっ!!なんでハモってんのよ~~!!恥ずかしすぎる。

「あはは。やっぱり仲良いじゃないか。ハモってるしね。なぁ母さん」と笑顔で言うおじさん。

「ふふふっ。そうね。お父さん」

だから・・・これの、どこをどう見て仲が良いと思えるんだろう?本当わかんない。

「私も紗羅と櫂斗君なら大賛成よ!!!将来が楽しみだわ~~」

お母さんはまだ諦めてないみたい。

でも、私も諦めたくないんだよね!!!

こうなったら・・・絶対に櫂斗に振り向いてもらうんだから!!

覚悟しといてよね、櫂斗!!!と櫂斗を見ながら心の中でつぶやいた。


そして、お母さんが言った。

「紗羅、飲み物足りないから買って来てよ!」

「え~今から?」

「そうよ。櫂斗君悪いけど紗羅に付き合ってやってね」

「はい、わかりました。紗羅行くぞ!!!」

「わかったわよ。櫂斗待って~!!」

私達を見てた親同士は「可愛いわね~!!あの子達~」と微笑み合っていた。

そんな会話をしてるとは露知らず私達はコンビニに着き、飲み物を探す。

「う~んと。コレとコレとコレでいいかな?櫂斗」

「うん、それでいいんじゃねぇの?」

「うん、わかった」

そしてレジでお金を払って家に向かった。
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