あの瞬間キミに恋した
階段を降りようとした時、布団の重さで体がグラついた。

ヤバイ!!!落ちちゃう~~~!!!


すると「紗羅!!!!!」と櫂斗の声が聞こえたような気がした。

と思った時・・・・ん?私・・・・落ちてない・・・なんで?と恐る恐る目を開けると、櫂斗がいた。

「櫂斗?なんでココにいるの?」と半分放心状態で櫂斗に聞いた。

「なんでって・・・お前が遅いから様子を見に来たら、お前が落っこちそうになってたから急いできたんだよ」

「そうだったんだ・・・。櫂斗ありがとう・・・。怖かったよぅ・・・」と泣きながら言った。

「わかったから、泣くなよ。なっ!紗羅」

「うん」


そして冷静になった私・・・。


キャー!!!なに?この状況は・・・。

私は櫂斗にキツク抱きしめられていたんだ。

パニくってて、全然気づかなかったよ。

櫂斗の顔がすごく近くにある・・・。

ヤバイ・・・ドキドキしちゃってるよ。

心臓のドキドキが櫂斗にバレちゃうんじゃないかと思うくらい、私のドキドキは大きかった。
そして・・・。

「櫂斗・・・もう大丈夫だから、離して!」

「ん?あぁ・・・わかった」と、やっと離してくれた。

「んじゃあ、コレ持って行くからな」

「え?いいの?」

「また、落ちそうになったら厄介だからな」とニヤリと笑って言った。

「もう落ちないもん!!!」

「ははは。お前っておもしろいな!!!早く行こうぜ」

「もう~!!わかったわよ」

そして1階に戻りお母さんと、櫂斗のおじさんおばさんに布団を掛けた私達。

「さてと・・・なぁ紗羅、俺はどうすればいいわけ?」

「ん~・・・。泊まって行ったらいいんじゃない?おじさんもおばさんもいる訳だし」

「んじゃあ、そうするよ」

「はい、布団」

「俺も、ここで寝るのか?」

「当たり前じゃない。私は自分の部屋で寝るけどね」

「紗羅だけ、ずりぃな!!」

「なに言ってんの、うち部屋少ないから仕方ないじゃん!」

「んじゃあ、紗羅の部屋で寝かせてくれよ」

ゲッ!!なに言っちゃってんのよ櫂斗は。

一緒の部屋になんて寝れる訳ないじゃんか・・・。

「櫂斗なに言ってんのよ。一緒の部屋なんてイヤだよ、私!!!」

「ちっ!なんだよ。昔は、よく一緒に寝てたじゃね~か!!」

「確かにそうだけど今はダメだって!!」

「あっ!お前もしかして・・・俺に襲われるとか思ってるんだろ?」

違うよ・・・。櫂斗が近くにいたら、ドキドキしすぎて寝れないからなのに・・・。

「図星か・・・。でも安心しろよ。紗羅には襲いたくなんか、ならねぇからさ」と不適な笑みで言った。
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