一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
 最初は子どもができないことへの不安からかと思っていた。
 それなら、すぐにその誤解を解いて謝ろうと思っていた。

 しかし、事態はそう簡単なものではなく。
 彼女は他人の言葉に踊らされて、俺の彼女への気持ちを疑って……

 さらに何とか見つけ出した俺への極めつけの言葉は、
―――好きな人ができましたっ! とても頼りになって優しい人っ! ただそれだけですっ!

 これだ。

 正直、そんな本当かどうかも分からない言葉で心が激しく揺さぶられた。

 絶対にゆるさない。
 彼女の心も身体も全部自分のものでないといやだ。

 そんな子どもじみた……でも強烈な独占欲が自分から湧き出しているのを感じていた。

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