一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
17章:愛してる
―――わかってほしい。俺は、これをただの政略結婚なんかだと思っていないんだ。
私はその言葉を聞いて、自分の手を握りしめて……それから嬉しくて泣きそうになった。
「鷹也さんがローマで助けてくれた時……一目惚れなんてらしくないことしました」
「俺も一目ぼれしたんだろうな。やけに男前な高校生の沙穂に」
「高校生⁉ え、なんで高校生⁉ あ、見た目のことですか?」
私が慌てて聞くと、鷹也さんは楽しそうに笑う。
「私、お見合いの時、相手が鷹也さんですごく嬉しかった……。今だから言えるけど、結構舞い上がってました」
それを聞いて、鷹也さんが苦笑する。
「目も合わせなかってくれなかっただろ。俺は不安になった」
「だって、すごく緊張してたから」
鷹也さんに抱き着く。
鷹也さんの体温が暖かい。
そして意を決して口を開いた。
「わ、私、鷹也さんが好き。大好き」
私が言うと、鷹也さんは本当に嬉しそうに目を細めて、それから、俺も好きだよ、と言ってくれた。