一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
2章:目を逸らさずに

 結局、そのままローマに強制送還。

 ローマへの飛行機の中でも、鷹也さんは黙っていて怖い。
 でも、手はぎゅうっと握られていて、それが余計に怖かった……。

 成田から直行便で12時間半、恐怖の時間は何年にも思えた。


 フィウミチーノ空港に着いてからは車に乗せられ、ローマ市内の3階建てアパートメント。鷹也さんと私が住んでいた部屋に着く。

 部屋の前まで来て、私は立ち止まった。
 心臓が早く脈打つ。ここを出た時……

―――もうここに戻らないって決めたのに。

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