一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

「すみませんでした……ご迷惑をおかけした上に、泊めてまでもらうなんて」

 しかも、私は結局、鷹也さんの勧めで、鷹也さんの部屋にまで泊めてもらうことになった。スマホもとられたので大使館からの連絡手段がなく、鷹也さんがそれなら、と手を挙げてくれたのだ。

「いいや、困ったときはお互い様だし、気にしないで。客人用のベッドルームもいくつかあるし、鍵もかかるから安心して。大使館からご家族に連絡も取ってもらってるから」
「家族?」

 私は首を傾げる。
 まぁ、父に連絡をとってもらった方が手続きなどしやすいのかもしれない。そう思ったところで、鷹也さんは私の顔を見つめる。

「きみ、高校生くらいじゃないの?」
「25ですっ」

(くっ……人が気にしていることを……!)

 あぁ、だからここに来るまで、やけに子どもみたいな扱いだったのね……。
 いますごくその扱いの理由に納得したわ……。

 だからこそ、こんな簡単に客人用のベッドルームまで貸してくれたのかもしれない。
 だって、大人の女性相手なら、ホテルの部屋を取ってあげるほうが安心だろうし。
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