一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

 私がそんなことを思っていると、鷹也さんは心底驚いた顔をする。

「そういえば手続きの時の生年月日みたな」

(あの、そういう驚き方も傷つきますけど……)

 そう思いながら、私は恩人相手とは言え、ムスっとむくれた。
 むくれると余計に子どもに見える、と7つ上の従姉に言われたことがあるが、癖なのでなかなか抜けきらない。

「すみませんね、童顔で」
「あはは、日本人は童顔な子が多いけど、キミは特にだね」

 そう言って鷹也さんはポンポンと私の頭を軽く叩く。
 あ、これもまた子ども扱いしてるな。

(まぁ、いいけどさ……)

 そう思いかけて、やっぱりそれは嫌だなと思った。


 正直に言えば、最初会ったときから私は、鷹也さんに惹かれてた。
 嫌な顔一つせずに、優しく助けてくれた鷹也さんに……。

―――たぶん人生で初めての恋をしていたんだ。

(でも、きっと私はこんなに素敵な人の恋愛対象にはならないんだろうなぁ……)

 鷹也さんは明らかに年上で女性の扱いにも慣れてそうだし……。
 実際私の恋愛レベルは超初心者の中学生以下だから相手にもならないだろう。
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