一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
11章:そばにいたい
用意された朝食を一緒にとって、それから鷹也さんを送り出す……予定だと思っていたが、鷹也さんはそのまま私服に着替えた。
「鷹也さん、仕事は?」
「ん? 今日は休み。一緒に過ごしたかったから」
鷹也さんはそう言い、私に口づける。
「んっ……」
何度か口づけて唇が離れる。
それが名残惜しくてそれを見つめていると、もう一度キスをしてくれた。
「名残惜しいって顔、してたから」
楽しそうにそう言われて、私が唇をかむと、またキスされた。
その時ーーー
「仲のいいところ申し訳ありませんが、少々お時間よろしいでしょうか?」
「ひゃぁあああっ!」
突然、城内さんの声が聞こえて、私の身体は比喩ではなく15cmほど跳ねた。
音もなく城内さんがやってきていたようだ。
「は、はい、もちろんっ」
私が慌てて言うと、城内さんは思いっきり息を吸う。
(なんで深呼吸……)
と思って見てみると、
「まったくあなたは! 何を考えているんですかっ‼‼‼」
聞いたこともないくらいとんでもない声で怒鳴られた。