一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
帰りの車の中、私は意を決して口を開いた。
「あの……鷹也さん。……私があなたの隣にいていいの?」
これが精いっぱいの勇気だった。
鷹也さんが思い出したように口を開く。
「今月末、大使館のパーティーがあるんだ。俺の隣で、参加してほしいんだけど」
「も、もちろん!」
私が頷くと、鷹也さんも微笑む。
「ドレスと靴はいつも通りこちらで用意させて」
「はい」
今は……今だけは、もう少し鷹也さんのそばにいたいとそう思っていた。