ばいばいって言えるまで
私たちは高校生の頃から付き合っていて、６年付き合っている。高校生の時付き合って、大学生になって、社会人になっても付き合っているカップルはかなり少ないため驚かれることも多かった。

すごいね、と言われた。だけど大好きだったから付き合えていた。それだけだった。


今あの時のような気持ちが彼にあるのかと聞かれたらないだろう。


だから別れを告げた。


それなりに長い交際期間を経て、社会人になって直ぐに同棲を始めた。大好きな人とずっと一緒にいられる環境はとても幸せだった。

毎日がとてもキラキラしていたように思える。



喧嘩することもあったし、揉めることもあったし、小さなすれ違いで気まずくなってしまうこともあったけれど、あの時の私は幸せと言い切ることが出来ていたと思う。

一緒にアパートを見に行ったことも、
ワクワクしながら引越し準備をしたことも、
引越しのために一緒に重い荷物を運んだことも、
初日にダンボールだらけの部屋で過ごしたことも、
家具を見に行ったことも、
毎日一緒に寝られる幸せを噛み締めたことも、
おかえりとただいまを言える人がいたことも、
一緒にご飯を作って食べたことも、
< 2 / 15 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop