second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
『はっ?小児科だって急患があるかもしれないじゃない・・・』
「その時は僕が奥野先生を捕まえます。“もう少し待っててね♪”って。」
そこまでしても
あたしに用事があるってワケか
だとしたら
意外と真面目な話かな?
緊急時の産婦人科と小児科の連携の話とか・・・
そういう真面目な話なら受けてもいいかも
小児科とはもっと連携しながら上手くやって行きたいしね
『わかったわ。ただし、明日は手短にお願いするわ。』
「了解です。」
ニヤリと笑って返事をした橘クンが
悪魔に見えたのは気のせいということにして
あたしは仕事に戻った。
すっかり冷えてしまった体を震わせながら。
そして翌日
12月24日金曜日。
あたしは外来診察担当の金曜日。
12月29日から1月3日までウチの病院は正月休みなため、
年内最後のあたしの外来診察日であるせいか
パソコンの外来予約画面には患者さんの名前がギッシリ。
そこにある患者さんの名前の数が通常の1.5倍ぐらいに思えるのは
気のせいではないと思う。
『こんなに忙しいのに、なんで今日なのよ?』
「奥野先生、何か?」
そんな状況なのに
まさかあの橘クンに夜、呼び出しされているんですなんて
絶対に口には出せない
この医療秘書の加納さんも橘クンのことを“子供相手しか診察してくれないなんて・・あたし、お子様になりたいです。”なんて呟いていたしね
『あ~今日は金曜日なんだなって。』
「なんか誤魔化してません?」
『まさか~。』
女の第六感、恐るべし
『田嶋さつきさん、2番診察室へどうぞ。』
深くツッコミを入れられないように、すぐさま予約画面の一番上に名前がある人の名を机の上にあるマイクの前で呼んだ。