second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「邪魔者は消し去れ・・ってなんかブラックな世界で怖いですね~。」
まだ俺の隣にいた上野さんが面白そうにそう声をあげる。
「邪魔者って橘先生だったりして!こんなところで寺川部長がそういう話をしたってことは橘先生を牽制したのかも・・・車内キス目撃者のあたしはそう思ってしまいます・・・」
奥野さんとキスしていたところまで見られていたんだな
それをダシにして俺を操ろうとしているってとこか
「だから、もう奥野先生から離れたほうがいいんじゃないですか?橘センセ!」
やっぱりな
でも、奥野さんから離れたほうがいいなんて・・・もう離れているんだ
そもそも奥野さんが離れたのは、恭という存在であって
橘という存在はそもそも彼女のココロに近付いてはいなかった
だったら橘として彼女に近付けばいい
『僕は大切な人は自分の手で守りたい。だから、せっかくだけど上野さんの忠告には従えない。』
「橘先生・・・?」
『急遽やらなきゃいけないことを思い出したので、お先に・・・』
寺川部長みたいなブラックな取引なんかじゃなくて
もっと違う方法で
『もしもし・・・・お忙しい中、申し訳ありません。私、名古屋城北総合病院NICUの橘と申します。』
俺に託そうとしていた杏仁豆腐を手にしたままだった上野さんをカフェテリアに置き去りにしたまま、俺は私用のスマホを手に取って、早速その方法を探り始めた。
奥野さんに
そして
雅に
みっつめのおまじないを今度こそちゃんと伝えられるようにするために・・・