second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「斎藤教授はきっと橘先生の力になってくれると思います。」
『彼と僕は知り合いではなくても・・ですか?』
「孫のように想っている陽菜の命を救ってくれた人・・・それだけでも充分、知り合いですよ、斎藤教授にとっても。」
『・・・ありがたいです。自分は医師としてすべきことをただしただけなんですが・・・。』
「橘先生、あなただから陽菜は救命できた・・・私はそう思っています。」
まっすぐに俺の目を見つめながら、丁寧にその言葉を紡いでくれた彼。
彼のことを俺は
・・・もっといい加減な男だと思っていた
・・・もっと薄情な男だとも思っていた
・・・奥野さんにずっと想われ続けている、俺にとっては目の上のタンコブのような男だと思っていた
そんなことを思っていた俺なのに
俺の医師としての実力を認めてくれる彼
俺の力になってくれようとしている彼
奥野さんの心の中で、1番で居続ける男である理由が見えたような気がした
でも彼の心の中での1番は間違いなく伶菜さんであろう彼は今、
奥野さんのことをどう思っているんだろう?
もし、奥野さんが彼にスキだと想いを打ち明けてしまったら
彼は今の彼のままでいられるんだろうか?
『日詠先生・・・』
「あ、はい。」
『奥野さんのこと、どう想っていますか?』
「えっ?」
『もし、奥野さんがあなたのことがスキだ・・・そう言ったら、日詠先生はどうしますか?』
奥野さんの心の中の1番の男になりたい俺は、今、その立場にいる目の前の彼に、今はふさわしくないであろうその疑問をぶつけていた。
俺の力になろうとしてくれている彼に。