second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結



「・・・・・・・・」


学生時代
彼とこうやって張り合うような真似なんてできなかった
彼は俺の存在すら知らなかっただろうから

映画の世界で言うならば、彼が主役で、俺は通行人ってとこだろう
だから、今の俺の、主役を狙うような言動に彼は驚く
そう思っていた。


けれども彼は

「かけがえのない人・・・か・・・やっと言ってくれましたね。」

俺が彼と同じ舞台に上がることをずっと待っていたようなことを口にした。




『やっと・・ですか?』

「・・・ええ・・・いつかこの人は、奥野さんのことで自分に向かってくるだろう・・・そう思っていました。大学生の頃から。」


まさかの発言まで聞かれた。
自分は奥野さんと彼の関係をただ外部から見ているだけの人間・・・
そう思っていたから、逆に俺が驚かされた。


『大学生の頃から・・・ですか?』

「ええ、僕が奥野さんと一緒にいた時、あなたの鋭い視線を感じていたんです。」

『・・・気がついていらっしゃったんですね・・・学生時代とはいえすみません。』

「いえ、あの頃・・・学生時代の僕は、ずっと捜している伶菜を見つけ出すことができなくて、そのストレスで酷く荒(すさ)んでいたので、そういう目で見られても当然です。」


彼と伶菜さんがどうやって出逢って、どうやって離れてしまったのかはわからないが、少なくとも彼は大学生の頃から伶菜さんを求めていたんだ・・・

多分、奥野さんも彼のそういう状況をわかっていた
それでも彼女は彼のことがスキをやめられない

もうホント切なくなる



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