second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「でも、陽菜が生まれた時、あなたが陽菜を抱きかかえてNICUへ向かう後ろ姿を見て、この先生なら陽菜を救ってくれる・・・そう思えたのも、大学生だったあなたの、真剣な視線を知っていたからです。」
『・・・・・・・』
「今は、陽菜をちゃんと救ってくれたあなたなら、僕にとってかけがえのない先輩である奥野さんを誰よりも大切にしてくれる・・・そう信じています。」
『・・・先輩・・・ですか・・・かけがえのない・・・』
「ええ・・・僕を成長させてくれた先輩です。だから奥野さんにスキと言われても、素直にありがとうと言えますよ。」
彼が言う“かけがえのない人”は
俺が想像していた・・・愛する対象としてのかけがえのない人ではなく
尊敬する対象としてのかけがえのない人だったらしい
『はぁ・・・・良かった・・・愛する対象としてのかけがえのない人じゃなくて・・・・あっ!!!』
安堵したせいでつい本音を口にしてしまった俺は慌てて口で手を押さえた。
でもそれはあとの祭りで。
「じゃあ、橘先生にとって、奥野さんは愛する対象としてのかけがえのない人・・・ということですね。」
自分のうっかりな発言のせいで、俺は日詠さんに言質を取られた。
でも、それはただの見物人だった俺が奥野さんの恋の1番目の相手に、自分は対等な相手だと認めてもらえたような気がして
『・・・ええ。間違いないです。ようやく1番を目指せます。』
正直嬉しかった。
「えっ?1番?」
『いえ、まずは2番目を目指します。』
「2番目?なんですか、それ。」
『1番目な人にはわかりませんね、きっと。』
1番目 vs. 2番目(仮+弱気)から
1番目 vs. 2番目(正式+本気)に変わった今。
彼には敵わないという想いに雁字搦めにされていた俺は
その彼によってとうとうその想いから解放された。