second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
【Tachibana special side 2:重なり合うふたつの道】
【Tachibana special side 2:重なり合うふたつの道】
「橘クン、今、忙しい?」
『ええ、まあ。何かありました?』
南桜病院の日詠先生のところへ相談に行った1週間後。
NICU(新生児集中治療室)で回診をしている最中に、小児科部長の岩倉医師に声をかけられた。
「産婦人科から胎児エコーのコンサルト依頼があった。胎児心エコーが得意なドクターに来てほしいって。確か橘クン、胎児心エコー、興味あるだろ?」
『ええ。研修行ったりもしていますが・・・』
「忙しいの、充分わかってる。わかってるよ~、でも、行ってきてくれる?」
『・・・わかりました。行ってきます。』
「ごめん、外来診察中みたいだから急いで。」
岩倉部長は申し訳なさそうに依頼してきたけれど、俺にとってはありがたい依頼。
今後、周産期センターの特色を出していくためには専門性を高めていかなければいけないと思っていて、循環器領域もそのうちのひとつだと思って深く勉強している最中だからだ。
『産婦人科・・ね・・・誰が依頼してきたか聞くの忘れた。』
NICUから産婦人科外来へ走っている最中にそれを思い出した。
とりあえず産婦人科外来受付に、胎児エコー依頼してきた医師の診察室を尋ねたところ、3番診察室と教えてもらえて、再びそこに向かって走る。
3番診察室。
そのドアに掲げられていたのは、医師:奥野雅と書かれたネームプレートだった。