second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
どうせただの申し送りとか、産婦人科と新生児科の連携の話とかでしょ?
仕事、しごと
なのに、あたしってば、なんでこんなにも警戒してるんだか・・・
『一応、トイレに寄っておかなきゃね・・・トイレに行くことにしちゃったんだから。』
こうやって取り繕うあたしは、確かにあたしらしくないかも
なんか面倒臭くなってきちゃったな
『真面目にトイレに入っちゃうとか・・・』
やっぱりどこかいつものペースとは違う自分に対して
洋式便座に腰掛けながら溜息をついた。
そんな中。
「今日、彼とお泊まり♪」
「どこで?」
「インペリアル・リゾート・ナゴヤ。」
「ウソ!!!!!インペリアルなんて・・・・さすが、眼科ドクターのカレシってとこ?!」
「まあね~♪」
「で、そろそろ結婚するの?」
「そろそろってとこかな~♪」
若い女性ふたり組らしき、きゃっきゃっとはしゃいだ声が聴こえてきた。
「眼科ドクター、最高じゃん。心臓外科とか、産婦人科とかみたいにいつ休んでいるかわからないような診療科だと、奥さんも大変だろうしね。」
「そうそう。そういう診療科ドクターとかとの結婚とか、あたし、無理~。」
悪かったわね・・・そういう診療科ドクターで!!!!
でも、あたしが彼女達の結婚相手になること絶対ないから、どうでもいいけどね
「将来、開業とかも考えてるんでしょ?」
「多分ね~。」
「アンタも経営とか資金運用とかも勉強しないといけないんじゃない?」
「そっか~。そんなコト、考えてなかった~。そういう道のプロに任せておけばいいんじゃないの?」
「うわ~、他人任せは良くないんじゃない?」
確かに開業医の奥さんになるって
そういうことも頭の片隅に置いておくほうがいいのは確かかもしれない
便座に腰掛けたままそんなことを考えているうちに、はしゃぐ彼女達の声が遠ざかってしまった。
『のんびり他人の話に耳を傾けている時間、ないっ!!!!!』
トイレに行っている”立場”じゃないあたしは
急いでトイレのドアを開け、橘クンとの待ち合わせ場所の屋上へ向かった。