second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
【Tachibana side 2 : ドクターカーから見えた景色】
【Tachibana side 2 : ドクターカーから見えた景色】
「母体は現在安定しています。1週間以内に退院できるかと思われます。」
『わかりました。でも、お母さんもベビーと離れる不安もあるかと思われますので、こちら側としては電話やネットでできるかぎりコミュニケーションのお手伝いをできたらと考えております。』
「ご配慮、感謝致します。」
『ベビーに対しては最善と尽くすとご家族にお伝えください。』
当院所有のドクターカーでNICU搬送依頼のあった産婦人科開業医に到着し、救急車専用出入口で待機していたベビーの男性主治医。
彼から、小さな保育器に寝かされている治療対象であるベビーを保育器ごと受け取りながら、彼と手短に情報交換をして再びドクターカーに乗り込む。
『サチュレーション・・・88%か・・・』
「酸素、入れますか?」
『いや、まずはタオルで肩枕の高さ調整をして様子を見てみようか。それでも上がってこないようなら、先に吸引。バブルシリンジ準備しておいて。』
「わかりました。」
ドクターカー内で看護師とともに初期処置を始め、様子を見つつ病院にも電話をする。
《NICU、現在、GCUと調整していてもうすぐ1床開けられそうです!》
『わかった。こっちはハートレイト103。肩枕でサチュレーション少し上がってきたけど、まだ呼吸がまだ不安定。チアノーゼもあるし、一応、CPAPをエアで開始できるように準備しておいて下さい。』
《了解です!》
救急車でうちの病院に運ばれてから初期処置を始めるよりも、新生児科医師である自分が早く処置が始められた今、少し上向きな状態を示し始めたベビーを見てひとつだけ息をつく