second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
【Okuno side 4: 店名のないブッシュドノエルの入った箱】
【Okuno side 4: 店名のないブッシュドノエルの入った箱】
『何、今の・・・』
NICU(新生児集中治療室)の新生児科医師の橘クン
待ち合わせの約束もあたしのPHSを奪われて取り付けられた
待ち合わせ時刻に遅れたのは急患だったから仕方がないにしても
寒さに気を遣ってストールをかけてくれたのはありがたかったけれど
いきなりキスしてくるとか
マイペースにも程がある
『勝手にキスとか・・・あり得ない・・・橘クンも・・・あたしも・・・』
勝手にキスするという罪の前科のあるあたしだから
心の底から橘クンを非難することはできない
“自分がしたことは自分に返ってくる”
いいこと、わるいことをした時、どちらの時も母親にいつも言われていたこと
だから今、母親に言わせれば
あたしの目の前で起きたことはあり得ないことではないらしい
『これはいつも一緒・・・ただ抱かれていないだけで。』
今までのあたしは
お互いにカラダだけの、割り切った関係で男と付き合ってきた
酷い時には妻帯者とも付き合ったこともある
なかなか消えてくれない日詠クンへの想いで
いつまでも満たされないココロをカラダの快楽で満たす
その中でするキスも、ただの快楽の一部で
ココロを揺さぶられるモノなんかじゃなかった
『橘クンが言うように、頭いっぱいになんかならない・・・心のこもっていないキスなんかでは。』
この時のあたしは
こうやって実際とは真逆なことを自分に言い聞かせなければ立っていられなかった
橘クンの、たくさんの優しくて甘いキスのせいで
頭がいっぱいになりそうだったから