second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
【Tachibana side 4: 誤解されたくない女性 】
【Tachibana side 4: 誤解されたくない女性 】
奥野さんをひとり置き去りにしたまま屋上を離れた俺はER(救命救急センター)から小児科患者の診察依頼がありそちらへ向かった。
『急な嘔吐でびっくりしましたよね・・・でも熱も出てないので、おそらくウイルス感染ではないと思われます。』
「じゃあ、なんで吐いたんでしょう・・・?夕飯食べてしばらくして吐いたんですけど・・・何か悪い病気なんでしょうか?」
『まずはお腹の音を聴いてみますね。まきちゃん、そこのベッドに横になってくれるかな?』
診察依頼があったのは、8才女児。
かなりの量の嘔吐をしたらしいが、本人よりも付き添いの母親のほうが焦燥感が著しいようだ。
腹部の聴診をしてみると、予想通り、腸管の動く音が弱い。
『まきちゃん、ごめんね。おなかさわるね。』
「うん。」
腹部の触診をすると下腹部の張りがしっかりと感じ取れる。
『ここ最近、お通じありましたか?』
「どうだっけ・・・?ねえ、まきちゃん、うんち、出てた?」
「・・・えっと・・・ででない・・・」
「最後にうんちいたのいつ?」
まきちゃん、お母さんともに排便の様子を聞かれるとは思っていなかったらしく、まきちゃんにおいては天井を見ながら懸命に想い出そうとしている。
「・・・月曜日。」
「月曜日って・・・4日前?!」
母親は驚いていたけれど、俺にとっては予想通り。
たかが便秘、されど便秘
すぐにレントゲン検査を実施したところ、大腸全体に便と思われる影が映っていて、便秘による嘔吐であると診断し、すぐに処置を行った。