second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
『俺ですら、あの時のことをここまでリアルに想い起こしてしまうんだ・・・奥野さんにこれを見せたら・・・』
その頃の奥野さんは見ているこっちが心配になるぐらい、身を粉にして働いていたように見えた
またそんな日々に奥野さんを追い込んでしまうような気がした俺は
《それはできない。俺はな。》
無神経な森村にそうリプライをしてスマホを閉じた。
それなのに、今度は着信音がなる俺のスマホ。
このまま放置しても、何度も着信音がなりそうだと予測した俺は
『もしもし、なんだよ、休みか?森村。』
仕方なく通話ボタンを押した。
「俺も~仕事だよ。でもLINEの既読がすぐについたからお前も休憩中かと思ってな。」
『リプライ、ちゃんとしただろ?お前、いくら忙しいからって焼きそばパン、食いながら電話かけてくるの、そろそろやめろ。』
「違う、今日はメロンパンだ。というか、お前、クリスマスイヴなのに、なんで仕事してるんだ?」
どうやら俺と同じくクリスマスイヴというイベントとは今年も無縁らしい森村からの電話。
『・・・お前に言われたくない。昼間、結婚式に参加して、夜は当直とか。』
「いいんだよ、俺は。伶菜の幸せそうな顔が見れたから、いいクリスマスイヴってとこだ。」
単なるマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)馬鹿だと思ってた森村なのに
伶菜さんが結婚しても彼女のことを想い続ける・・・こんなにも一途な面があるとは驚かずにはいられない
「そういうお前はどうなんだよ?・・・女神とか。」
『・・・お前・・絶妙なタイミングで余計なこと、言うなよ。』
「おいおいおい!!!!何かあったのか?・・・女神・・・奥野さんと。」
『・・・別に・・・』
そう答えた瞬間、しまったと思った。
「あ~、お前が、別に・・って言う時は何か隠しているときだよな~。言え!言わないと、奥野さんに直接電話で聞くぞ。」
悪友森村には、俺のつまらない癖まで知り尽くされているからだ。
しかも、こいつは物怖じなんて一切なくて本当に行動をするところもおっかない。
『わかった。言えばいいんだろう?』
「そうそう♪」
絶対に面白がってるな、こいつは
でも、やりすぎたってひとりでモヤモヤしているよりも
こいつに思いっきり笑い飛ばしてもらうのも悪くはないかもしれない
『キスした。』
「は?」
『・・・だからキス。』
「は?誰と?」
『・・・奥野さんと。』