second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結



「・・・・・」

笑い飛ばされると思ったのに、まさかの森村の無言状態。

電話の向こう側でその状態があまりにも長く続いたことで、さすがに彼の様子が気になった俺。


『おい・・・どうした?』

「・・・最近、涙腺が弱くなってな。」


仲間内では爽やかゴリラ馬鹿とも呼ばれていて涙とは無縁そうな森村なのに、電話口でずびずびと鼻をすする音をたてている。


『俺、お前にそこまで心配されてたのか?』

「は?なんでお前だよ?・・・日詠さんを想い続けた奥野さんがとうとう彼を諦めて新しい恋を始めようとしているのが嬉しくてな。」


森村、お前は奥野さんの親戚のおじさんか?
それに、奥野さんが新しい恋を始めようとしている?
そうなのか?
いや、そうじゃない


『俺が同意を得ないままキスしただけだ。』

「は?お前、わざわざそんなことしなくても、女のほうからキスしてくれるだろ?しかも、奥野さん相手って、度胸あるな。酒にでも酔っていたのか?」


奥野さんがうちの病院に異動してくる前には、彼女は森村がいる病院で従事していた
しかも、森村も奥野さんや俺、日詠さんと同じ医大出身
だから森村も奥野さんのことは知っている
俺ら後輩医学生の間で、奥野さんが女神と呼ばれ、一目置かれる存在であったことも

ただ、森村は人見知りとか一切しない人間だから、奥野さんともやりとりがあったようだが
おそらく、そのやりとりがあった森村でも奥野さんはいまだに一目置く存在なんだろう


『素面だ。』

「橘、本気か?」

『・・・奥野さんがびっくりしているのを見て、そうなっていいのか・・・わからなくなった。』


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