神様の操り人形
九回目の人生
家の電話が鳴り止まない。スマホの着信も鳴り止まない。俺は布団の中にくるまり、ブルブルと体を震わせていた。

俺の部屋のテーブルには、絵が描かれた紙が置かれているが、続きは描かれていない。床にペンなどが転がり落ちた中、俺はずっと震えている。

俺の仕事は漫画家だ。小さい頃からずっと漫画家になりたくて、何度も出版社に持ち込み、ついに五年前に漫画家デビューを果たした。

そして、バトル漫画を描き始めたのだが、その漫画が人気を集め、一気に注目作家となった。ここまでは本当に毎日が楽しくて、順調だったよ。

最近、スランプに陥ってしまったようで絵が全く描けなくなっている。でも漫画の締め切りはあるし、読者も待っているから描かないといけない。でも描けない。

いっそ、無期限の連載休止にしようかと考えたこともあった。でもそうなれば生活費をどうするのかという新たな問題が出てしまう。俺は漫画を描かず、逃げることもできないのだ。
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