恋と旧懐~兎な彼と私~
「そろそろいい時間だね~」

「うん」

「暁くんはどうするの?」

「んー。取り敢えず駅まで送る」

「いいの!?」

「大したことじゃないでしょ」



私にとっては大したことだ。

暁くんと長くいれるってことだから。

冬の6時の空は暗く,空気も冷たい。

駅に戻ると,朝は目立ってなかったイルミネーションがすごくきれいだった。

あれ,どうしようかな。

渡すなら今だけど。

そして,私は少し困っていた。



「ねぇ,これあげる。クリスマスプレゼントだとでも思って」

「え?」



渡されたのはピンクのウサギのマスコット。



「柴犬取れなかったから」



どれだけ悔しかったんだろう。

私は苦笑した。

あの雑貨屋さんで買ったのかな。

いくらだったんだろう。

あの雑貨屋さんで,この可愛いマスコット1つを買う暁くんを想像して,面白くなった。

私は渡されたマスコットに視線を移す。

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