恋と旧懐~兎な彼と私~
なのに代わりに行けといいながら……

弘こそ心配なんじゃなかったのか。



「なんで?」

「いや,それはまぁ。伝えずらいことが起こるかもしんないじゃん?」

「はぁ? 弘なにいってんのさっきから。変だよ」

「うるせぇわ」



ひどっ。



「で,どうすんの。お前が行かなきゃ唯兎は1人で永遠に俺を待ってることになるけど」

「う……ぐぅ」

「変な声」

「う…い,く。ポ○リ渡すだけでいいんだよね?」

「ん,充分」

「なら,うん。分かった。それなら暁くんも怒らないと思うし」



私は弘のどこか物言いたげな視線を受けながら,教室を後にした。

大丈夫かな,早く放課後にならないかな。

教室に戻って席に座ると,途端に心配が胸に広がる。

自分が思っていたより,私は暁くんの不調に動揺していたらしい。
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