恋と旧懐~兎な彼と私~
暁くんを好きな女の子で,ここまでいわれてひかないこはいないと思う。
思った通り,悔しそうな顔と納得できない顔の2人がそれぞれ離れていく。
少し不憫に思うけど……
でも、私はそんなことよりも……
「あ……ぅぅ」
「おい,おい唯兎。見ろ,愛深真っ赤だぞ」
「は、なん……で」
余計なこと言わないで。
弘に言いたかったけどダメだった。
暁くんは意味が分からないと言いたげに振り向いて,目を見開く。
「ごっごめ,変な反応して……ちょっとビックリしただけだから」
こうゆうのは,暁くんは求めてないのに。
パタパタと顔を扇いで熱を冷ます。
ビックリした。
いつもねぇ、とかあのさとかで,名前を呼ばれたのは初めてだったから。
しかも下の名前,呼び捨て……
なんかくらくらする。