恋と旧懐~兎な彼と私~

「……何なのもう」

「お前が愛深の名前呼んだの初めてだからだろ」



暁くんがそっぽを向いたのが気配で分かった。

そしてやっぱり弘はさらっと余計なことを言った。

気まずくなるでしょ,バカ。



「ごめんね。気を付けるから」

「そうゆうのも要らない。っつーか,時間終わるよ。もう戻ったら?」



言葉だけ受け取ったら,怒ってるのかと思うようなそれも,暁くんのだとちがく感じる。

自惚れかな,そこに深い意味がないとしても,照れと気遣いに感じた。

何はともあれ,結局出掛けられるみたいだ。

とびきりお洒落していこう。

私の気分は際骨頂だった。

愛深って……暁くんが。

ふふっ楽しみだなぁ。


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