恋と旧懐~兎な彼と私~
結論から言うと,キーホルダーはなかった。

でも,その代わりに私の目をひくものが1つ。

ピン,かぁ。

可愛いけど,3つも要らない。

周りをキョロキョロして,私はそこでピンとくる。

ピンだけに……なんちって。

慣れない下手くそなギャグを心の中でかましながら,私は他のお土産を眺めていた暁くんに声をかけた。



「暁くん! ちょっと屈んでくれる?」

「…いいけど」



すんなり屈んでくれた暁くんの頭に,商品をあてる。



「この金色のシンプルなやつさ,暁くん使わない?」



先端に星がついただけのもの。

私はたまにだけど,暁くんは普段からこめかみの辺りでピンをしてる。

だからもしかしたら使うんじゃないかって思って。

私は1つ減らせて欲しいだけ手にはいるし,暁くんにもプレゼント出来る。

我ながら良い案なのでは!?

私は嬉々として暁くんに尋ねた。
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