恋と旧懐~兎な彼と私~
家族みたいなもの

無邪気な黄色

「あ,愛深。ははっやっぱりな」
               
             
               
月曜日,いつも通り暁くんのクラスへ向かうと,なにやら楽しそうな弘がいた。
             
              
              
「弘,うるさい」      
               
「あ? いいじゃん。唯兎がさ,いつもは百均の黒いの使ってんのに,今日はなんか可愛いピンつけてんだよ。しかも星だし」
            
              
              
暁くんに睨まれても,弘は絶対愛深繋がりだとと思ったんだよなぁと,けたけた笑っている。
             
              
               
「あっそれつけてくれたんだ」
             
              
           
私も今日はあの時買ったピンをつけていて,ちょっと嬉しくなった。
           
              
            
「揃いで買ったんだ。良いじゃん」
             
「え!? 違うよ,ね! 暁くん!」
               
「……さぁ?」        
              
             
               
どうでも良さそうな暁くんの代わりに,私は弘に強く説明した。
              
               
              
「なるほどね,セットだったの。お揃いより仲良さそうじゃん」   
             
「やっだから違うってば! 悪のりしないでよ弘。暁くんが困るじゃん」
          
「そう? 困ってんのお前だけじゃない? なぁ唯兎」       
             
「ふぁ,そうだね。そう見えるなんて最初から分かってるし……愛深はバカだから考えが及んで無かったみたいだけど。つけてきたってことは別に困んないってことでしょ」
             
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