恋と旧懐~兎な彼と私~
『お前このバカたれが。それはあっちやって言ったやろ。なにしよんやバカちんが』
今時珍しいほど,悪意ないお前とバカをハッキリ言う人で,すごく取り繕った感じがしなくて大好きだった。
教師としての知識や技術も凄かった。
かさついた大きな手に撫でられるのも大好きだった。
基本誰に撫でられるのも好きなんだけど。
「なにぽわぽわした顔してんの?」
「いや,別に」
大好きな先生を思い出していると,弘にじとっとした目でみられた。
いけないいけない。