恋と旧懐~兎な彼と私~

暁 唯兎(あかつき ゆいと)

名前まで格好いい彼は,初めて私が好きになった人。

入学して2ヶ月,そこから恋に落ちて2ヶ月くらい経った頃,私は彼に自己紹介をして,告白して,フラれた。

分かってたから,私もすぐに受け入れた。

ここからだと自分を鼓舞して,これから話しかけてもいいかと聞いたら



『……好きにしたら』



そう言われたから,あの日から更に2ヶ月、私は毎日1つ教室を挟んだ先にある彼の教室に通っている。

夏休みが終わったばかり。

もう,8月も終わるのか。

告白の時,声が震えて吐きそうになったけど,多分彼はそんなこと知らない。

強がるのは,得意だから。

そして今日,私はあの時のようなドキドキを,今日は持っていた。

大丈夫かな……

私は祈るような気持ちでそれを握りしめた。

< 6 / 161 >

この作品をシェア

pagetop