恋と旧懐~兎な彼と私~
暁くんはゆっくりと考える動作をとる。
「ふふっ」
真面目に考えるその様子が,なんだかすごく嬉しかった。
それはね?
「それは,暁くんを好きになっちゃったから」
伊希に向ける好意なんて,足元にも及ばない。
あの日の涙は,幼く拙い独占欲だ。
「も,いいよ。十分わかったから。ほら,帰ろ? 俺のせいで遅くなっちゃったから,送ってあげる」
私は立ち上がった暁くんをぱっと見上げた。
「送るって?」
「…家の近くまで」
「私の駅暁くんとこの1駅先にあるんだよ?」
「ごちゃごちゃ言わないで……それともやなの?」
「まさか!」
そんなはずない。
力む私に行くよと笑う暁くん。
このときめきは,どうしたらいい?
「ふふっ」
真面目に考えるその様子が,なんだかすごく嬉しかった。
それはね?
「それは,暁くんを好きになっちゃったから」
伊希に向ける好意なんて,足元にも及ばない。
あの日の涙は,幼く拙い独占欲だ。
「も,いいよ。十分わかったから。ほら,帰ろ? 俺のせいで遅くなっちゃったから,送ってあげる」
私は立ち上がった暁くんをぱっと見上げた。
「送るって?」
「…家の近くまで」
「私の駅暁くんとこの1駅先にあるんだよ?」
「ごちゃごちゃ言わないで……それともやなの?」
「まさか!」
そんなはずない。
力む私に行くよと笑う暁くん。
このときめきは,どうしたらいい?