恋と旧懐~兎な彼と私~

悲哀の青。

ーゴッゴッドドドズゾー

暁くんと2人並ぶ電車の中。

席は満員で,私達は出入口横のバーにつかまって立っていた。



「あのさ,暁くん。興味ないかもしれないけど,聞いてくれる?」

「話したいんでしょ。いいよ,別に」



美愛ちゃんの話。



「伊希の,彼女の話なんだけど。あの子はね,私の憧れなの! 何でって言われても分かんないけど,本当に大好きなの」



本当に,本当に。



「お茶目で可愛くて,勉強もできて,優しくて」



私が寄っていって,その勢いに困ったように笑ってくれるところとか。

私が悲しいとき,臆さず大丈夫? って聞いてくれるとことか。



「私は,大好きだったの」
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