恋と旧懐~兎な彼と私~

「どしたの?」



暁くんの声が優しかった。

あははっ

心のなかで笑う。

気持ちの沈みなんて,今までなら絶対に見えないように,自然体に見えるようにしてたのに……

甘えが出たのかも。

だけど……

せっかくだし話してみてもいいかなぁ。

暁くんだし,私はもう,終わったことであっても1人で抱えていたくない。

ためててもろくな爆発しないと,いつか人に毒を吐くことを恐れていた私。

結局爆発せず,沈殿していた気持ち。

思ったより決断は早かった。



「私,あの人に嫌われてたの……違うか。あの人を始めとした10人じゃくの人たちに」



珍しいよね。

女子は一人もいなくて,10人弱もの男子に嫌われるなんて。

それも全員クラスメート。

私のクラスは30人くらいだから,男子の三分の2の人たちは私を嫌いだった。

中には立場を守るために,もしくは面白がって便乗してた人もいて……次の年に同じクラスになったら普通に喋ったりもしたんだけど。

それが分かってたから文句も言えなくて。

ただの嫌がらせの域を越えなくても,結構な人数で,それも一年中続いたらさすがに傷つくっていうか……
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