恋と旧懐~兎な彼と私~
「暁くん! あのね!」

「うるさい」



お昼になって急いで向かうと,暁くんは片手で耳を覆う動作をして顔を歪めた。

おっと,勢いつけすぎちゃった。

私は反省して,もう一度仕切り直す。



「あの,クリスマス,空いてますか?」



謎の敬語。

やっぱり勢いも大事だったかもしれない。



「……どっち?」

「え?」

「イブかそうじゃないか」



そんなの



「来てくれるならどっちでもいい」



イベント事じゃなくてもいい。



「じゃあクリスマスで。また弘んとこ召集かかってるからイブは無理。クリスマスも3時から6時までになるけど」

「来てくれるの!? 全然! それでいいよ!」

「どこに行きたいの?」

「んー。考えてなかった」



夕方かぁ,3時……おやつ?



『あっ愛深! 私この前……』



陽菜が言ってたとこ,行きたいかも。


< 84 / 161 >

この作品をシェア

pagetop