鬼弁護士は私を甘やかして離さない
私の両親は結婚していない。

私は非嫡出子という扱いの子供だった。
 
父親に認められていない子供。

それがどういうものかわからなかった。
でも大きくなるにつれ徐々に理解していった。
父に認知してもらえず、母は1人で私を育ててくれた。
父の顔は一度も見たことがない。
話を聞いたこともない。

ただ周りの大人から、父が母を裏切ったのだと聞かされた。

金銭的に生活はキツく、私たち親子は支え合いながらこれまでやってきた。
母から「嘘だけはつかないで」と何度も言われ育てられてきた。

だから斗真にも同じように「嘘だけはつかないで」と話してきた。私の両親の話もしてきた。
斗真はそのことを知っているはずなのに私に嘘をついた。
裏切り以外の何者でもないと思った。

だから私は斗真を信頼できなかなってしまった。
この5年間は何だったんだろう。
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