鬼弁護士は私を甘やかして離さない
大学2年になり、少し気持ちに余裕も出てきて生活にも慣れてきた。
バイトとの両立も出来、大学生活を満喫していると思えてきたころから斗真とは図書館以外にも出かけることが多くなった。

美沙には「付き合ってるの?」と聞かれるけどそんなことはない。
ただ、気が合うから一緒に勉強したりご飯を食べているだけ。
斗真は持ち前の人当たりの良さに加え、見た目の良さもあり大学ではちょっとした有名人になっていた。先輩からも後輩からも常に声をかけられ、斗真の周りには絶えず人がいた。
そんな斗真と私が付き合うわけがない。
ただの同級生。たまたま入学してすぐに会ったから仲良くなれただけ。たまたまサークルが同じだっただけ。偶然の積み重なりで私は斗真の隣にいられるだけで私が斗真とどうかなれるとは思っていないし、思ってはいけないと思った。

斗真と同じサークルに入りたいと入会が多くなりあっという間に倍くらいまで膨れ上がってしまった。
斗真はいつ参加するかはわからないからみんな動向に注目しているが当の本人はひょうひょうとしており、気の向くままに行動しているように見えた。

私には時々メッセージで【明日のバーベキューに一緒に行こうよ】など誘いがくるが、みんなに連絡しているものだと思っていた。
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