鬼弁護士は私を甘やかして離さない
甘やかし足りない
恵介は無事に退院の日を迎えた。
中林さんが迎えに行き、その足で事務所に来た恵介はみんなに迷惑をかけたことを謝罪をしていた。
「死んでも死なないと思ってたよ」
と茶化されながらみんなに温かく迎え入れられた。
また、完治するまで1週間は自宅療養するように命じられていた。
恵介はみんなへの配慮からか復帰をすると言っていたが中林さんが断固として許さなかった。
「迷惑かけてすみません」
「戻ってきたら覚悟しとけよ。みんなお前に仕事振るからな」
恵介は苦笑いしながら事務所を後にし、中林さんにマンションまで送り届けられた。
私は仕事が終わると恵介のマンションへ向かった。
昨日のうちにおかずを作っておき、それを持ってきていたので恵介に届けるつもりだ。
ピンポン
インターホンを鳴らすと「あがって」と言われる。
持っていた鍵でオートロックを解除し、部屋のドアを開けた。
すると玄関で恵介は待ち構えていて、私に抱きついた。
「ただいま」
「おかえり」
部屋にいた恵介に反対のことを言われるとおかしな気もするが、退院してきた恵介にかける言葉は「おかえり」で間違っていない。
玄関でお互いを確認し合うように唇を重ねた。
「恵介。これ夕飯だよ。たくさんあるから小分けにして食べてね!また洗濯しにきてあげるから無理しないでね」
私はそういうとマンションを後にしようとした。
「もう帰るの?」
「明日も仕事なの。ごめんね。今忙しくて大変なの。あ、これも返すね」
そういうと彼の手に借りていた鍵をのせた。
「なんだか真衣が冷たい」
「そんなことない。でも本当に忙しいの」
「だからってさ……」
少し拗ねてしまう恵介が可愛いが今日は木曜日。
最近病院の往復もしていたからか正直なところ身体がバテ気味。
恵介には言えないけど食事があまり取れていないせいかフラフラすることもあった。
「ごめんね、恵介。週末また会おう」
「真衣!」
私は足取りが重くなる前にドアを開けた。
すると後ろから恵介に手を掴まれた。
振り返ると恵介は拗ねた顔をして私の手に鍵を握らせた。
「これは真衣の。返さなくていい。いつでもきて欲しいから持って帰って。ご飯ありがとう」
そういうと解放された。
改めて手を離されると寂しく感じてしまうが私は揺らいだ心を振り切るように恵介のマンションを後にした。
恵介のマンションから自宅まで電車に揺られるが満員のためか気分が悪くなり途中下車してしまった。
ベンチに座るが治らず、なんとかタクシー乗り場へ向かい自宅に帰り着いた。
恵介には食事を渡したが自分は食べる気にならずそのまま倒れ込むようにベットに入った。
翌朝重い身体を引きずるように起き上がり、栄養ドリンクのゼリーを流し込むと電車に揺られ出勤した。
気が張っているせいか仕事になるとふらつきは落ち着き、走り回ることができた。
お昼も食欲がわかず、なんとか朝と同じようにゼリーを摂ることだけで精一杯だった。
やっと仕事を終え、電車に乗り込んだ。
明日明後日はお休み。
出来れば寝て過ごしたい。
でも恵介にも会いたい。
そんな気持ちの葛藤に困っていると恵介からメッセージが届いた。
【お疲れ様。そろそろ退勤か?明日は会えそうか?】
恵介待ってるよね……。
【今電車の中。明日お昼すぎるけど行くね】
それだけ返すのが精一杯だった。
今日も電車の中で気分が悪くなり、下車してしまった。
1時間休むとなんとか立ち上がれ、また電車に乗り直し、帰宅した。
昨日と同じようにお風呂だけ入ると、またすぐにベッドに吸い込まれるように寝てしまった。
翌日、気がついたら11時になっていた。
こんなに寝たにも関わらず体調は悪い。
めまいに加え、気持ちの悪さも出ていた。
私は水を少し飲んだが吐き出してしまった。
こんなに体調が悪いなんておかしい。
そう思うが頭が働かない。
またベッドに横になると眠ってしまった。
ピンポン
ピンポン
何度かインターホンを鳴らす音がして気がついた。
誰かがインターホンを押してる。
そう思うけどなかなか立ち上がれない。
コンコン
ノックする音と一緒に「真衣?」という声が聞こえてきた。
恵介?
私はフラフラしながらドアを開けようと歩き始めるが足がもつれてしまう。
コンコン
早く玄関に行きたいのに寄りかかりながら出ないと進めない。
やっとドアにたどり着くと鍵を開けた。
すると恵介が勢いよく入ってきた。
「真衣?どうした?大丈夫か?」
「けいすけ……」
私はそれだけいうと目の前が真っ暗になった。
中林さんが迎えに行き、その足で事務所に来た恵介はみんなに迷惑をかけたことを謝罪をしていた。
「死んでも死なないと思ってたよ」
と茶化されながらみんなに温かく迎え入れられた。
また、完治するまで1週間は自宅療養するように命じられていた。
恵介はみんなへの配慮からか復帰をすると言っていたが中林さんが断固として許さなかった。
「迷惑かけてすみません」
「戻ってきたら覚悟しとけよ。みんなお前に仕事振るからな」
恵介は苦笑いしながら事務所を後にし、中林さんにマンションまで送り届けられた。
私は仕事が終わると恵介のマンションへ向かった。
昨日のうちにおかずを作っておき、それを持ってきていたので恵介に届けるつもりだ。
ピンポン
インターホンを鳴らすと「あがって」と言われる。
持っていた鍵でオートロックを解除し、部屋のドアを開けた。
すると玄関で恵介は待ち構えていて、私に抱きついた。
「ただいま」
「おかえり」
部屋にいた恵介に反対のことを言われるとおかしな気もするが、退院してきた恵介にかける言葉は「おかえり」で間違っていない。
玄関でお互いを確認し合うように唇を重ねた。
「恵介。これ夕飯だよ。たくさんあるから小分けにして食べてね!また洗濯しにきてあげるから無理しないでね」
私はそういうとマンションを後にしようとした。
「もう帰るの?」
「明日も仕事なの。ごめんね。今忙しくて大変なの。あ、これも返すね」
そういうと彼の手に借りていた鍵をのせた。
「なんだか真衣が冷たい」
「そんなことない。でも本当に忙しいの」
「だからってさ……」
少し拗ねてしまう恵介が可愛いが今日は木曜日。
最近病院の往復もしていたからか正直なところ身体がバテ気味。
恵介には言えないけど食事があまり取れていないせいかフラフラすることもあった。
「ごめんね、恵介。週末また会おう」
「真衣!」
私は足取りが重くなる前にドアを開けた。
すると後ろから恵介に手を掴まれた。
振り返ると恵介は拗ねた顔をして私の手に鍵を握らせた。
「これは真衣の。返さなくていい。いつでもきて欲しいから持って帰って。ご飯ありがとう」
そういうと解放された。
改めて手を離されると寂しく感じてしまうが私は揺らいだ心を振り切るように恵介のマンションを後にした。
恵介のマンションから自宅まで電車に揺られるが満員のためか気分が悪くなり途中下車してしまった。
ベンチに座るが治らず、なんとかタクシー乗り場へ向かい自宅に帰り着いた。
恵介には食事を渡したが自分は食べる気にならずそのまま倒れ込むようにベットに入った。
翌朝重い身体を引きずるように起き上がり、栄養ドリンクのゼリーを流し込むと電車に揺られ出勤した。
気が張っているせいか仕事になるとふらつきは落ち着き、走り回ることができた。
お昼も食欲がわかず、なんとか朝と同じようにゼリーを摂ることだけで精一杯だった。
やっと仕事を終え、電車に乗り込んだ。
明日明後日はお休み。
出来れば寝て過ごしたい。
でも恵介にも会いたい。
そんな気持ちの葛藤に困っていると恵介からメッセージが届いた。
【お疲れ様。そろそろ退勤か?明日は会えそうか?】
恵介待ってるよね……。
【今電車の中。明日お昼すぎるけど行くね】
それだけ返すのが精一杯だった。
今日も電車の中で気分が悪くなり、下車してしまった。
1時間休むとなんとか立ち上がれ、また電車に乗り直し、帰宅した。
昨日と同じようにお風呂だけ入ると、またすぐにベッドに吸い込まれるように寝てしまった。
翌日、気がついたら11時になっていた。
こんなに寝たにも関わらず体調は悪い。
めまいに加え、気持ちの悪さも出ていた。
私は水を少し飲んだが吐き出してしまった。
こんなに体調が悪いなんておかしい。
そう思うが頭が働かない。
またベッドに横になると眠ってしまった。
ピンポン
ピンポン
何度かインターホンを鳴らす音がして気がついた。
誰かがインターホンを押してる。
そう思うけどなかなか立ち上がれない。
コンコン
ノックする音と一緒に「真衣?」という声が聞こえてきた。
恵介?
私はフラフラしながらドアを開けようと歩き始めるが足がもつれてしまう。
コンコン
早く玄関に行きたいのに寄りかかりながら出ないと進めない。
やっとドアにたどり着くと鍵を開けた。
すると恵介が勢いよく入ってきた。
「真衣?どうした?大丈夫か?」
「けいすけ……」
私はそれだけいうと目の前が真っ暗になった。