義理の兄妹で恋をするのはフィクションの世界だけだと思っていた
いざ、迎えた顔合わせの日。
「え……水樹?」
「………相田くん…?」
こんなこと、ありますでしょうか。
まるで、物語の中の世界みたいだ。いつもクラスの中心で大きな声で笑っている相田くんが目の前にいる。
「紹介するね。のんのお父さんになる寛也(ひろや)さんと、お兄ちゃんになる駆くん。のんと同じ学校に通ってるんだって!」
うん、お母さん。『寛也さんと』の後の情報はしっかりと把握してるよ。
「初めまして。ののさん。相田寛也と言います。よろしくね。」
頭の整理が追いついていないのは私と目の前にいるクラスメイトの相田くん2人だけ。
「待って、俺聞いてないんだけど!なんで水樹がここにいるの!?」
「………再婚相手の相田さんって相田くんのお父さん…? わー……驚き…」
私の反応と相田くんの反応で察した様子のお母さんと寛也さんは、なぜか恥ずかしそうな顔をしながら…。
「無理させるところあるかもだけど、よろしくお願いします。」
と、半ば強引に入籍した。